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これからのスケートショップは、物を売るだけでは生き残れない

これからのスケートショップは、物を売るだけでは生き残れない

スケートショップは、これからどうなっていくのか。

最近、自分でもLESQUEやSLDなどのブランドを運営しながら、茨城県土浦市でGrafferというスケートショップとパーク、スクール、ギャラリーをやっている中で、改めて考えることがあります。

スケートボードの人気がなくなったわけではありません。

オリンピックをきっかけにスケートボードを始めたキッズや女性も増え、スケートパークも全国にかなり増えました。以前よりもスケートボードが社会に受け入れられ、「子どもの習い事」として選ばれる時代にもなっています。

それなのに、国内外では長く続いたスケートショップが次々と閉店しています。

なぜ、スケーターは増えているのに、スケートショップは苦しくなっているのでしょうか。

苦しいのはスケート業界ではなく、昔の売り方なのかもしれない

今は、インターネットで検索すれば、どこにいてもスケートボードを買えます。

海外の商品も買えるし、価格を比較するのも簡単です。ブランド自身もオンラインショップを持ち、直接お客さんへ販売するようになりました。

便利になった反面、実店舗は家賃や人件費を払いながら、ネット通販やブランド直販と競争しなければなりません。

デッキやトラック、ウィールといったハードグッズは、スケートショップに欠かせない商品です。しかし、思っているほど利益率が高い商品ではありません。

さらに在庫を抱えすぎれば、最後はセールをして現金に換えなければならない。値下げを繰り返せば利益がなくなり、ブランドの価値まで下がっていきます。

つまり、これから厳しくなっていくのはスケートボードそのものではなく、商品を仕入れて並べるだけの昔ながらの経営なのだと思います。

価格では、大型店やインターネットに勝てない

個人のスケートショップが、大型チェーンや大手通販サイトと価格で勝負するのは難しいです。

大量に仕入れられる会社は原価を下げられます。品揃えも多く、発送も早い。そこに小さなショップが正面からぶつかれば、利益を削り続けることになります。

では、小さなショップには価値がないのか。

自分は、まったく逆だと思っています。

大型店には作りにくい、地域のスケートシーンがあります。

初めてスケートボードに乗る子どもに板の選び方を教えたり、技ができなくて悩んでいる子に声をかけたり、大会や映像試写会を開催したり、ローカルライダーを応援したりする。

こうした関係は、ネット通販では作れません。

これからのスケートショップは、「商品を買う場所」から「人とスケートボードがつながる場所」へ変わっていく必要があると思います。

ただし、コミュニティだけでは店を守れない

ここで、少し耳の痛い話もあります。

「コミュニティが大切だ」

これは間違いありません。

ただ、どれだけ愛されている店でも、家賃や人件費を払えなければ続けることはできません。海外でも、地域のスケーターから長く愛されていたショップが、請求書を払えず閉店しています。

良い場所を無料で提供し続けるだけでは、いつか運営する側が疲れてしまいます。

大切なのは、コミュニティを無理やりお金に換えることではありません。そこにいる人たちが自然にスクールへ通い、イベントに参加し、必要なデッキやシューズをその店で買いたくなる流れを作ることです。

店に利益が残れば、パークを修理できます。イベントも開催できます。ライダーを応援し、スタッフにも給料を払えます。

利益を出すことは、スケートカルチャーを壊すことではありません。

長く守り続けるために必要なことだと思います。

パークはゴールではなく、入口になる

大手のムラサキスポーツも、パーク単体の利益だけを目的にするのではなく、パークを物販やスクールにつなげる考え方を公表しています。

これは、実際にGrafferを運営していても感じます。

パークの滑走料金だけで、家賃、人件費、光熱費、修繕費のすべてを賄うのは簡単ではありません。

しかし、パークがあることで人が集まります。

集まった人がスクールに入り、仲間ができ、上達し、デッキやシューズを買う。そしてイベントに参加し、次の世代を連れてきてくれる。

これが、これからのスケートショップに必要な循環だと思います。

パークは単なる施設ではなく、人とスケートボードが出会う入口です。

スクールが経営の安定につながる

その中でも、特に重要になるのがスクールです。

商品販売は月によって売上が変わりますが、月謝制のスクールは、継続して通ってくれる人が増えるほど経営が安定します。

特にキッズスクールでは、技術を教えるだけでは足りません。

成長を記録すること。

次の目標を見せること。

ケガをしない身体の使い方を伝えること。

保護者にも成長や課題を共有すること。

こうした積み重ねが、「また来たい」「長く続けたい」という気持ちにつながります。

Grafferでも、パーク、スクール、ショップを別々に考えるのではなく、三つがつながる仕組みをもっと強くしていきたいと思っています。

さらに、場所が遠くて通えない人や、近くに教えてくれる人がいないスケーターには、オンラインスクールという選択肢もあります。

動画を送ってもらい、技術だけではなく、練習方法や考え方まで一緒に見ていく。これも、これからの時代に必要なスクールの形だと思います。

Grafferオンラインスクールはこちら

ショップ自身がブランドを持つ意味

これからは、スケートショップ自身がオリジナルの商品やブランドを持つことも重要になります。

他社の商品を仕入れて販売するだけでは、どうしても利益に限界があります。しかし、自分たちでデッキやアパレルを作れば、利益だけではなく、その店にしかない世界観も作れます。

ただロゴを載せただけの商品ではなく、その店のローカルライダー、映像、音楽、イベント、考え方まで含めてブランドにしていく。

自分たちがLESQUE、SLD、EAZY M!SSなどを続けてきた経験も、Grafferという場所とつながることで、さらに価値を持つのではないかと考えています。

そしてRESUNCEでは、これまでスケートブランドを運営してきた経験を生かし、スケートボードデッキのOEM製作も請け負っています。

「自分たちのショップオリジナルデッキを作りたい」

「イベントやチームのために特別なデッキを作りたい」

「自分のブランドを立ち上げたいけれど、作り方が分からない」

そんなショップや個人、企業の相談を受けながら、オリジナルデッキを形にするお手伝いをしています。

これからは、すべてのショップが大きなブランドになる必要はないと思います。

地域の仲間と作る少量のデッキでも、その土地のスケートシーンやショップの考え方が表現されていれば、大手ブランドにはない価値が生まれます。

そのデッキを地元のライダーが乗り、映像を撮り、イベントで販売する。そこからショップの新しい物語が始まることもあります。

自分たちで商品を作ることは、単に利益率を上げるためだけではありません。

そのショップらしさを残し、地域のスケートカルチャーを形にすることでもあります。

RESUNCEのOEMが、これから自分たちの商品やブランドを作りたい人たちの最初の一歩になればと思っています。

RESUNCEのスケートボードOEMについて

ブランドが人を場所へ連れてきて、場所が新しいスケーターを育て、そのスケーターがまたブランドの物語を作っていく。

この循環を作ることができれば、大型店とは違う戦い方ができます。

D2Cとスケートショップの関係

ブランド側としては、自社のオンラインショップで直接販売した方が、利益が大きく見えることがあります。

しかし、オンライン販売にも広告費、送料、梱包、人件費、倉庫代がかかります。思っているほど簡単に利益が残るわけではありません。

さらに、ブランドが直販ばかりを優先すると、これまで支えてくれたスケートショップから信頼されなくなります。

自分はブランドを運営する立場として、ショップとの関係を大切にしたいと思っています。

ショップ先行の商品や限定モデルを作る。受注販売を活用して、ショップもブランドも在庫を抱えすぎない。イベントやスクールを一緒に開催する。

ブランドとショップが商品の奪い合いをするのではなく、一緒にスケーターを増やす関係を作ることが大切です。

これから生き残るショップとは

これから生き残るのは、ただ商品をたくさん並べている店ではないと思います。

人を育てる店。

仲間ができる店。

地域のスケートシーンを作る店。

自分たちの考えを商品や映像で表現できる店。

そして、その活動を続けるために、きちんと利益を出せる店です。

スケートボードは、上手い人だけのものではありません。

初めて乗る子ども、久しぶりに戻ってきた大人、競技を目指す選手、映像を作る人、絵を描く人、音楽をやる人。いろいろな人が混ざるから、スケートカルチャーは面白くなります。

だからGrafferも、ただ滑るだけのパークではなく、スクール、ショップ、ギャラリー、イベントがつながる場所にしていきたい。

RESUNCEも、単に商品を作って売る会社ではなく、場所や人、映像、音楽、アートをつなげて、新しいスケートシーンを作る存在になりたいと思っています。

物を売る前に、滑り続けられる場所を作る

これからのスケートショップに必要なのは、「何を売るか」だけではありません。

誰を育てるのか。

どんな仲間を増やすのか。

地域にどんな文化を残すのか。

そして、それをどうすれば無理なく続けられるのか。

物販だけで利益を出す時代は、少しずつ終わりに近づいているのかもしれません。

これからは、パークで人と出会い、スクールで育て、コミュニティでつながり、自社ブランドや物販で利益を生み、その利益をまた次のスケーターや場所へ戻していく。

この循環を作れるショップが、これからの時代に残っていくのだと思います。

自分たちもまだ完成しているわけではありません。

GrafferもRESUNCEも、試しながら、失敗しながら、少しずつ形を作っている途中です。

ただ、目指している方向は間違っていないと思っています。

スケートボードを売るだけではなく、スケートボードを続けられる環境そのものを作る。

それが、これから自分たちがやるべき仕事なのだと思います。

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