ジャッジは「点数」を付ける仕事。でも、ブランドは「人」を選ぶ仕事。
先日、ある方からこんな質問をいただきました。
「大会でジャッジをする時は、何を見ているんですか?また、ブランドでライダーやFLOWを選ぶ時は、何を基準にしていますか?」
とても面白い質問だったので、今日は僕なりの考えを書いてみようと思います。
これはあくまでも30年以上スケートボードを続けてきた、一人のスケーターとしての考えです。
僕のジャッジの付け方
ジャッジには絶対的な正解はありません。
人によって評価の仕方は違います。
僕は昔から、自分なりのシンプルな方法があります。
紙に「正」という字を書いていくんです。
良いトリックなら1点。
さらに良いトリックならもう1点。
そうやって「正」の字を増やしていきます。
もちろん、ただ技をやれば点数になるわけではありません。
同じ技ばかりだったり、
完成度が低かったり、
流れが悪かったりすれば点数は付けません。
逆に、
「これはすごい。」
と思った技なら一気に3点付けることもありますし、
本当に鳥肌が立つようなトリックなら5点くらいの価値を感じることもあります。
僕が見ているのは、
-
難易度
-
高さ
-
スピード
-
パワー
-
スタイル
-
完成度
-
ラインの美しさ
そういった全体のバランスです。
スケートは答えが一つじゃない
スケートボードは採点競技ですが、
数学のように答えが一つではありません。
同じトリックでも、
育ってきた環境や経験によって
「これは難しい。」
と思う人もいれば、
「もっと上がいる。」
と思う人もいます。
だからジャッジによって多少点数が違うのは当然だと思っています。
それもスケートの面白さです。
AJSAとSLSでは別の競技と言っていい
草大会。
AJSA。
SLS。
同じスケートボードでも評価するポイントは少しずつ変わります。
SLSレベルになると、
ライン全体の完成度や、
クォーターの使い方、
技と技の繋ぎ、
細かい部分まで評価されます。
でも僕は今でも、
最後は一発一発のクオリティが大事だと思っています。
難しい技をやっただけではなく、
どれだけ美しく、
どれだけ余裕を持って、
どれだけ気持ちよく決めたか。
そこに一番魅力を感じます。
スポンサーは「うまい人」を探しているわけじゃない
ここからはブランド側の話です。
最近、本当にたくさんのDMをいただきます。
「スポンサーしてください。」
「FLOWお願いします。」
ありがたいことです。
でも正直に言うと、
返信しないメッセージもあります。
理由は簡単です。
僕はいくつものブランドのアカウントを管理しています。
だから、
同じ文章をコピーして、
いろいろなブランドへ送っている子はすぐ分かります。
数打てば当たる。
そんな応募を見ると、
残念ですが気持ちは伝わってきません。
本当に応援したくなる人
僕が応援したいのは、
ブランドが好きな人です。
このライダーに憧れました。
このブランドで育ちました。
このデッキが好きです。
この考え方に共感しています。
そういう気持ちが伝わる人。
そして今の時代なら、
動画を投稿するたびにメンションしてくれたり、
イベントへ来てくれたり、
普段からブランドを応援してくれている人。
そういう行動は必ず見ています。
ブランドへの愛情は、
意外と細かいところに表れるものです。
上手いだけでは、一緒に活動したいとは思えない
少し厳しい言い方になるかもしれません。
でも本音です。
スケートって、遊びなんです。
だから、めちゃくちゃ上手いだけで、一緒に滑っても楽しそうじゃない。
イベントをやっても盛り上がらない。
子どもたちとも話さない。
周りを笑顔にしない。
そんな人をライダーにしたいかと言われたら、
僕はそうは思いません。
ブランドは大会だけではありません。
イベントもあります。
撮影もあります。
スクールもあります。
展示会もあります。
地方遠征もあります。
一緒にご飯を食べることもあります。
そんな時間を共有するなら、
「またこの人と滑りたい。」
「またこの人と遊びたい。」
そう思える人と一緒に活動したいんです。
人柄も、実力の一つ
もちろん、
圧倒的に上手ければ、
ブランド側から声を掛けることもあります。
でも、多くのスケーターはそこまで圧倒的ではありません。
だから最後は、
人柄。
礼儀。
思いやり。
周りへの気配り。
そしてブランドへの愛。
そういうところが本当に大切になります。
スケートが上手いだけではなく、
人として応援したくなる。
そんな人を僕はライダーにしたいと思っています。
ブランドは夢の途中を支える存在
ブランドを長く続けていると、
一緒に活動していたライダーが、
さらに大きなブランドへ羽ばたいていくことがあります。
正直、少し寂しいです(笑)。
でも、それでいいと思っています。
僕たちと一緒に成長して、
もっと大きな舞台へ行く。
世界中で活躍する。
それがスケーターとして自然な流れです。
ブランドは夢を止める場所ではなく、
夢へ向かう途中を支える存在でありたい。
そう思っています。
最後に
最近、「スポンサーになりたい」という相談をよく受けます。
もし本当にブランドに入りたいなら、
まずはブランドを応援してください。
イベントへ来る。
商品を使う。
SNSで発信する。
仲間に紹介する。
メンションする。
そういう積み重ねをブランドはちゃんと見ています。
そして何より、
スケートを楽しんでください。
上手くなることも大切です。
でも、それ以上に、
「この人と一緒に滑ったら楽しそう。」
そう思われるスケーターでいてください。
僕は、そんな人と一緒にスケートをしたいし、そんな人をこれからも応援していきたいと思っています。
