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大手ブランドの時代から「個人の時代」へ。AV業界の変化を見て、スケート業界の未来を考えた

大手ブランドの時代から「個人の時代」へ。AV業界の変化を見て、スケート業界の未来を考えた

最近、YouTubeでAV業界の歴史と現在について語る番組を見ました。

内容を簡単にまとめると、以前のAV業界は、大手メーカーやレーベルに所属し、その流通網を使ってDVDを販売するのが主流でした。しかし現在は、個人がSNSでファンを集め、自分で撮影し、配信プラットフォームを使って直接販売できる時代になっています。

これを見ていて、スケート業界もかなり似た方向に進んでいると感じました。

大手ブランドに所属することが「正解」だった時代

以前のスケート業界では、有名ブランドに所属することが大きな目標でした。

ブランドに入れば、デッキを提供してもらえる。映像を撮ってもらえる。雑誌やDVDに掲載され、大会やデモにも呼ばれる。ブランドとショップが持つ流通やメディアの力によって、スケーターの名前が世の中に広がっていきました。

ライダー個人だけではできないことを、ブランドがまとめて行っていたのです。

だからこそ、どのブランドに所属しているかが、そのスケーターの価値や立ち位置を示す大きな看板になっていました。

今は個人が自分で発信できる

しかし現在は、スマートフォンが一台あれば、自分で撮影し、編集し、InstagramやYouTube、TikTokで世界に発信できます。

うまく活用すれば、ブランドが映像作品を作ってくれるのを待つ必要もありません。ショップや雑誌に取り上げてもらわなくても、自分の滑りや考え方、ファッション、日常を直接ファンに届けられます。

昔はブランドがメディアを持っていましたが、今はスケーター一人ひとりがメディアになっています。

フォロワーやファンを持っている個人は、有名ブランドに所属していなくても十分な影響力を持てます。場合によっては、ブランドよりもライダー個人の方が強いということも普通に起きています。

デッキを作ること自体は、もう難しくない

さらに今は、インターネットで工場を探し、小ロットでオリジナルデッキを作ることも以前ほど難しくありません。

ロゴやグラフィックも、デザインツールやAIを使えば個人で作れます。オンラインショップも簡単に立ち上げられ、SNSを使えば広告や販売まで自分でできます。

つまり、「ブランドを作る」という行為そのもののハードルは、かなり下がっています。

これは面白いことでもあります。誰でも自分の世界観を形にできるし、仲間と自由にプロジェクトを始められるからです。

一方で、作りやすくなった分、ブランドは完全に飽和しています。

デッキにロゴを載せただけでは違いが生まれません。似たような商品が増えれば、価格競争になり、在庫を抱え、思った以上に利益が残らない。

今は「デッキを作れること」自体には、ほとんど価値がなくなりつつあるのかもしれません。

ブランドを作れば儲かる時代ではない

デッキは作れば終わりではありません。

工場への発注、送料、関税、検品、撮影、ライダーサポート、広告、営業、卸売、在庫管理、イベント協賛など、ブランドを続けるには多くのお金と労力が必要です。

しかもブランドが増えれば、ショップの棚にも限界があります。ユーザーが一度に買えるデッキの数も変わりません。

供給ばかりが増えて、スケーターの人口や購入量が同じなら、当然一つひとつのブランドは儲かりにくくなります。

「自分もブランドを作りたい」という人は増えていますが、商品を作ることと、事業として継続することはまったく別の話です。

商品よりも「誰がやっているか」

これから重要になるのは、デッキそのものだけではなく、「誰が作っているのか」「なぜ作っているのか」だと思います。

同じような形、同じような素材、同じような価格のデッキが並んだとき、最後に選ばれる理由は、その人やコミュニティへの共感になります。

どんなスケートをしているのか。

どんな映像を作っているのか。

誰を応援しているのか。

地域に何を残そうとしているのか。

どんな仲間が集まっているのか。

これらを継続して発信できる個人が、ブランドより強くなっていくのだと思います。

ブランドが完全になくなるわけではない

ただし、これからすべてのブランドが必要なくなるとは思いません。

一人では難しいこともたくさんあります。ライダーの発掘や育成、品質管理、在庫、流通、イベント運営、映像制作、海外との取引など、複数の人が集まるからこそ実現できることがあります。

ただ、ブランドの役割は変わっていくはずです。

以前のように、ブランドがライダーを囲い込み、ブランド名を前面に出すだけでは弱い。これからは個人の活動を支え、複数の才能やコミュニティをつなぐ存在にならなければなりません。

ブランドが主役なのではなく、スケーターや作り手が主役。その活動を大きくするためにブランドが存在する。

そんな関係に変わっていくのではないでしょうか。

これからは「ブランド対個人」ではない

YouTubeの番組では、大手メーカー中心だったAV業界に、個人や小さな制作チームが参入し、既存の仕組みとは違う方法でファンと直接つながっているという話がありました。

スケート業界でも、同じ変化が起きています。

ただし、これは単純に「大手ブランドが負けて、個人が勝つ」という話ではありません。

ブランドの看板だけに頼る人は弱くなり、自分で発信し、ファンや仲間との関係を築ける個人が強くなる。その個人たちを支え、つなぎ、一人では作れない価値を生み出せるブランドだけが残っていくのだと思います。

これから作るべきなのは、ロゴを載せた商品だけではありません。

映像、記事、イベント、スクール、ショップ、パーク、アート、音楽、旅、そして人とのつながり。そうした活動全体が一つのメディアとなり、その結果として商品が売れる。

簡単にブランドを作れる時代だからこそ、ブランドを作ることよりも、「自分は何を続け、誰とどんな景色を作りたいのか」が問われています。

個人が強くなる時代は、ブランドにとって危機でもあります。

でも同時に、自分たちの存在理由をもう一度考え直す、面白い時代でもあると思います。

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