俺が昔めちゃくちゃ好きだった『Epicly Later’d』の裏側。これはマジで見てほしい
俺が昔、本当に大好きだったスケートボードの映像シリーズがあります。
『Epicly Later’d』。
VICEから配信されていた、スケーターの人生そのものを追いかけるドキュメンタリーシリーズです。
今回、YouTubeでたまたま見つけたのが、
「スケートボード界を永遠に変えたシリーズ|Let It Kill You」
という映像。
これ、マジでスケート好きなら見た方がいいです。
というか、昔『Epicly Later’d』を見ていた人には、かなり刺さると思います。
今回はスケーター側を追いかけるいつもの形ではなく、『Epicly Later’d』という番組そのものが、どうやって生まれ、なぜあんな映像になったのかを、作った側と出演した側の両方から振り返っている。
これがめちゃくちゃ面白かった。
トリックじゃなく「その人の人生」を見せた番組
今ではYouTubeもInstagramもあって、プロスケーターの日常を見ることなんて珍しくありません。
でも『Epicly Later’d』が始まった頃は全然違いました。
スケーターについて知ろうと思ったら、基本的にはスケート雑誌やビデオ。
見られるのはトリック、写真、インタビュー。
でも『Epicly Later’d』が映したのは、そこじゃなかった。
家に行く。
家族と話す。
昔のビデオを見る。
バーに行く。
友達と話す。
過去の失敗について話す。
人生について話す。
もちろんスケートもする。
でも主役はトリックではなく、**「そのスケーターがどういう人間なのか」**だったんです。
俺はそこが大好きでした。
映像が綺麗だから良かったわけじゃない
今回の映像を見て改めて面白かったのが、『Epicly Later’d』って、最初から完璧なドキュメンタリー番組を作ろうとしていたわけじゃないこと。
むしろかなりラフ。
カメラも小さい。
映像も完璧じゃない。
音楽すらない回もある。
撮影しているPatrick O'Dell自身も、いわゆるテレビの名司会者みたいなタイプではありません。
本人も、自分は恥ずかしがり屋で、不安になりやすくて、カメラに映ることも好きじゃないと話しています。
でも、逆にそれが良かったんだと思います。
「何か面白いこと言ってください」
「いい話をしてください」
みたいな空気じゃない。
ただ横にいる。
話を聞く。
昔の映像を見る。
一緒に時間を過ごす。
だからスケーター側も、いつの間にかカメラを意識しなくなっていく。
友達と普通に喋っているような空気。
これが『Epicly Later’d』の一番すごいところだったんじゃないかなと思います。
John Cardielの回は今見てもヤバい
特に番組にとって大きな転換点になったと語られているのが、John Cardielのエピソード。
大事故から再び人生を取り戻していくCardielの話を、単なる「伝説のスケーター」としてではなく、一人の人間として追っています。
ここから『Epicly Later’d』は、
「プロスケーターの一日」
という番組から、
「一人のスケーターの人生を記録する作品」
へ変わっていった。
当時は普通に見てたけど、今考えると本当にすごい。
スケーターがあまり話さなかったことまで記録した
スケートボードって、意外と自分の弱い部分を話さないカルチャーでもあると思います。
どんなトリックをメイクした。
誰と滑った。
どこに行った。
そういう話はする。
でも、
人生がうまくいかなかった時のこと。
お酒のこと。
家族のこと。
精神的に辛かった時期。
自分自身についての深い話。
そういう部分をカメラの前で話すことは、当時そんなに多くなかったと思います。
でも『Epicly Later’d』では、それが少しずつ出てくる。
しかも無理やり聞き出している感じがない。
「Patrickだから話せた」
という空気があるんですよね。
いいインタビューって、いい質問を考えることだけじゃない。
この人になら話してもいいと思わせられる人間関係そのものが大事なんだなと思いました。
俺が好きだった理由が、今になって分かった
俺も昔『Epicly Later’d』をめちゃくちゃ見ていました。
でも当時は、
「なんかこの番組カッコいいな」
「このスケーターこんな生活してるんだ」
くらいだったと思います。
今回、作った側からこの番組を見ることで、なんで自分があんなに好きだったのかが少し分かった気がしました。
俺はたぶん、スケートのトリックだけを見ていたわけじゃなかったんです。
スケートボードの向こう側にいる人間を見たかった。
どういう人で、
何を考えて、
何に悩んで、
誰と過ごして、
どういう人生を送ってきたのか。
そこまで含めて「スケーターってカッコいい」と思っていたんだと思う。
「記録しておく」ということの凄さ
今回、一番心に残ったのはここかもしれません。
20年前には、ただの日常だったもの。
友達の家。
パーティー。
街。
昔のビデオを見ながら話す時間。
その時は特別だと思っていなかったことが、20年経つとスケートボードの歴史になる。
これ、すごく分かるんですよね。
そしてこの映像を見ていて、ふと思い出したものがあります。
そういえば俺も「Chill hige clinic」っていう動画をめちゃくちゃ上げてた
そういえば俺も昔、
「Chill hige clinic」
っていう、完全にふざけた名前の動画をYouTubeにめちゃくちゃ上げていました(笑)。
知ってる人もいるかもしれないし、全然知らない人もいると思います。
本当にたまたま思い出して、久しぶりに昔の動画を見てみたんです。
そしたら、2012年。
当時仲良かったホーミーたち。
LESQUEのクルー。
昔の立川のスケートパーク。
今とは全然違う景色。
みんな若い(笑)。
これがなんか、めちゃくちゃ良かったんですよね。
別に当時、
「スケートボードの歴史を残そう」
なんて大げさなことは全く考えてない。
ただ撮って、
みんなでふざけて、
適当に編集して、
適当にYouTubeに上げていただけ。
でも14年くらい経ってから見ると、それがちゃんと思い出として残ってるんですよね。
「この頃こんな感じだったな」
「この場所懐かしいな」
「こいつ元気かな」
「みんな若いな」
とか。
なんかそれだけで、すごくいい。
上手く撮らなくていい。とりあえず残しておけばいい
これ、『Epicly Later’d』を見た後だから余計に思ったんですけど、
映像って、撮っている時にはその価値が分からないんですよね。
今はスマホがあるから、昔より圧倒的に簡単に映像を残せる。
だから若い子たちにも、とりあえず撮っておいてほしい。
別に作品にしなくてもいい。
カッコよく編集しなくてもいい。
Instagram用じゃなくてもいい。
再生回数なんて気にしなくていい。
友達と滑ってるところ。
移動中。
飯食ってるところ。
くだらない会話。
失敗して笑ってるところ。
パークでダラダラしてるところ。
そういうどうでもいい映像ほど、10年後、20年後に面白くなると思う。
撮って、適当に編集して、適当にYouTubeに上げておく。
それくらいでいいんじゃないかな。
その時はただの日常でも、未来の自分から見たらめちゃくちゃ貴重な映像になってるかもしれない。
「みんな元気かな」って思えるだけでも残した意味がある
昔の映像を見ると、本当に不思議です。
その時の空気までなんとなく思い出す。
今も会ってる人もいる。
全然会わなくなった人もいる。
それぞれ人生も変わってる。
でも映像の中では、みんなその時のままなんですよね。
「あいつ今何してんのかな?」
「元気かな?」
って思える。
それだけでも、昔適当にカメラを回していた意味があった気がします。
だから今回『Epicly Later’d』の話を見ながら、
Patrick O'Dellがやってきたこととはもちろん規模もレベルも全然違うけど、
「残す」という行為自体には同じような面白さがあるんだな
と思いました。
スケートボードの歴史は、トリックだけじゃない
スケートボードの歴史というと、
誰が最初に何をしたとか、
どのビデオパートがすごかったとか、
どのブランドが何年に始まったとか、
そういう話になりがちです。
もちろんそれも歴史。
でも、
「あの時、あの人たちはどう生きていたのか」
「あの頃、俺たちはどんな感じで滑っていたのか」
というのも同じくらい大事な歴史なんじゃないかなと思います。
それは有名なプロじゃなくてもいい。
俺たちみたいな普通のスケーターの、
普通の日常だって、
時間が経ったらちゃんと思い出になる。
結局、一番強いのは「本当に好きな人」が作ったもの
そして『Epicly Later’d』を見ていて、もう一つすごく共感したことがあります。
いいものができるのは、
作っている人自身が、その対象の本当のファンだから。
Patrick自身がスケートボードを好きで、スケーターが好きで、その人たちの物語を知りたいと思っている。
だから表面的なインタビューにならない。
最初から「これで稼ごう」と考えて始めたものでもない。
ただ、
物語を見つけて、それをみんなに伝えるのが楽しかった。
そこから始まっている。
これってすごく大切だと思います。
売れるからやる。
流行っているからやる。
ではなくて、
「俺はこれが好きだからやってる」
から始まったものは、やっぱり強い。
スケート好きなら、とりあえず見てほしい
昔『Epicly Later’d』を見ていた人はもちろん、
最近スケートを始めた人にも見てもらいたい。
今YouTubeやSNSでスケーターの日常を見るのが当たり前になっているけど、そのずっと前にこういうことをやっていた人がいた。
そして何より、
スケートボードってトリックだけじゃないんだ
ということが、この映像を見ると改めて分かります。
人がいて、人生があって、仲間がいて、失敗もあって、その全部を含めてスケートボードなんだと思う。
そして自分たちの日常も、できれば残しておいてほしい。
今はどうでもいいと思っている映像が、
10年後、20年後に、
「うわ、これ残ってて良かったな」
ってなるかもしれないから。
俺の昔の「Chill hige clinic」も、今見るとまさにそれでした。
昔『Epicly Later’d』が大好きだった俺としては、この作品はマジで必見。
そして見終わったら、昔自分たちで撮った映像も探してみてください。
たぶん、結構面白いです。



