子供にスケボーを「やめさせる」って、本当に必要?
最近、よく耳にする話があります。小学生、中学生とスケボーを続けてきた子供たちが、高校に上がるタイミングで「ここでスケボーをやめさせるか、続けさせるか」という選択を迫られるケースです。
親の立場になれば、悩むのは当然です。子供はまだ自分でお金を稼げない。デッキ、シューズ、ウェア。大会に出ればエントリー費や遠征費もかかる。ファッションにこだわれば、さらに出費は増えます。それでも結果が出るとは限らず、評価されるとも限りません。
中学3年生。反抗期で、正直ちょっと手に負えない時期。その気持ちも、すごく分かります。
でも、少しだけ立ち止まって考えてみてほしいんです。
「やめさせる」以外の選択肢は、本当にないのか。
子供は、親が思っている以上に分かっている
家庭環境はそれぞれ違います。仕事のことやお金のことを、全部子供に説明できない場合もあるでしょう。でも子供は、親が思っている以上に状況を理解しています。家に余裕がないことも、無理して支えていることも。
だったら、無理に隠さなくていい。「今は正直、お金がない」「全部は支えてあげられない」と伝えてもいいと思います。
vantanという選択肢
最近よく聞くのが、「vantanに行かせるべきかどうか」という相談です。正直、子供から見たら行きたくなるのは当たり前。スケボーの学校があり、毎日滑れて、周りは上手い子ばかり。キラキラして見える夢のような環境です。
実際、お金に余裕があるならvantanはとてもいい選択だと思います。最前線で活躍するスケーターが先生で、スケボーが上手くなる環境があり、仲間もいる。勉強もできて、ビジネスも学べる。
スケートボードで生き抜く力を与えてくれる場所なのは、間違いありません。
ただし、簡単に「行けばいい」と言える場所でもありません。入学金や学費がかかり、家庭の収入や家計事情もそれぞれ違う。
行けない=ダメ、行かせられない=親失格、そんな話ではありません。
行かなくても、道はある
実際、堀米雄斗をはじめ、今も最前線で活躍しているスケーターの多くは、vantanに通っていたわけではありません。本当にスケボーが好きなら、道は一つじゃない。
俺自身、高校生の頃はお金なんてなかった。新品の靴を買える余裕もない。だから先輩スケーターから靴をもらって滑っていました。サイズは合っていなかったし、俺はレギュラースタンスだけど、グーフィーのスケーターからもらった靴を履いて毎日練習していました。
デッキも新品じゃない。ショップから、まだ使える中古のデッキを譲ってもらって滑っていました。
それでも、スケボーはできた。お金をかけなくても、続けることはできる。
週1でスクールに通う。定時制や通信制の高校を選ぶ。昼間、みんなが学校に行っている時間に仕事をして、自分でお金を稼ぐ。夕方になったら、学校が終わった仲間たちと一緒にスケボーする。それだけでも、十分だと思います。
確かに普通の全日制高校に通っていたら、その時間の使い方はできません。でも高校卒業の資格が必要なのは事実でも、その取り方は一つじゃない。本当に夢や希望があるなら、週1の通信や定時制で十分な場合もあります。
大事なのは、どこに通うかではなく、限られた時間をどう使うか。普通の学校に行かなくても、夢は叶えられる。
親の役割は「前に立つこと」じゃない
最後に、ここは特に強く伝えたいところです。親は、前に出すぎなくていい。
進路を決める。ショップに連絡する。環境を全部整える。それは優しさのようで、子供の「自分で切り開く力」を奪ってしまうこともあります。
必要なのは、前に立つことではなく、背中を押すこと。道を用意するのではなく、道を切り開くのは子供自身です。
親は少し後ろにいて、「どうしたい?」「それなら、どうすればできると思う?」と問いかける。子供が考え、大人と話し、決断する。その経験は、スケボー以上に、これから先の人生を支える力になります。
やめさせるか、続けさせるか、ではなく
スケボーをやめさせるか、続けさせるか。進学先をどうするか。その答えを、親が全部決めなくてもいい。
「どう続けるか」「どう生きるか」。それを一緒に考えることこそが、親にできる一番のサポートなんじゃないかなと思います。


