親の夢と、子供の意思の話
今、親が「子供のために」スケートをやらせている家庭は多いと思います。特に小学生のうちはなおさらです。一人で行動させるのが心配な時期でもあるし、送り迎えや環境づくりも必要になる。だから最初は、親主導でいいと思います。
親が背中を押すのは悪いことじゃない。
ある程度の方向性を親が示すのも、家族として自然なことです。
「親の夢が子供の夢になる」
それ自体も、決して否定されるものではありません。
子供は親の期待に応えたくて必死に努力します。その姿はかわいいし、もっと活躍してほしいと親が思うのも当然です。実際、それでうまくいっている家族もいます。結果を残し、家族全体が幸せになっているケースもあります。
ただ、それがすべての家庭に当てはまるわけではない。
ここは、ちゃんと分けて考える必要があると思います。
小学生後半から必要になる「見守る力」
小学生の後半くらいからは、少しずつでいいので、子供が自分で行動できるように見守ることが必要だと思います。
どこで滑るのか。
誰と滑るのか。
今日は行くのか、行かないのか。
小さなことでいい。
自分で決める経験を積ませてあげてほしい。
親がすべてを決めてしまうと、小学生でも決められない。中学生になっても決められない。やがて、親がいないと何も決められない大人になってしまう。
社会に出たとき、自分の人生なのに何も選べない。
それは、正直かなり厳しい。
せっかくスケートボードという、失敗も成功も自分で引き受けられる最高の教材があるのに、その機会をつぶす必要はありません。
親がやってしまいがちなNG行動5つ
ここで、一度立ち止まって考えてほしいことがあります。
良かれと思って、やってしまいがちな行動です。
① 進路や目標を親が先に決めてしまう
「将来はこうなってほしい」
その気持ちが強すぎると、子供は“考えなくていい状態”になります。
② 子供の代わりに大人と話してしまう
ショップ、大会、スクール。
全部親が話してしまうと、子供は自分の言葉を持てなくなります。
③ 負けた理由・失敗の理由を親が説明してしまう
子供が考える前に、親が答えを出してしまう。
これは「学ぶ機会」を奪ってしまいます。
④ 結果だけで評価してしまう
勝ったか、負けたか。
結果だけを見続けると、子供は挑戦を怖がるようになります。
⑤ 「親の期待」を無意識に背負わせ続ける
期待は悪くない。
でも、それが子供の重荷になっていないか、一度立ち止まって考えてほしい。
親が手を引くタイミングとは
「いつから親が手を引けばいいのか」
これは、よく聞かれる質問です。
答えはシンプルで、
子供が自分の言葉を持ち始めたときだと思います。
・今日はどこで滑りたいか、自分で言える
・誰と滑るかを自分で選べる
・行きたくない日は、理由を話せる
・失敗したあと、言い訳じゃなく考えを話せる
こういう瞬間が出てきたら、親は一歩下がっていい。
送り迎えはする。
危険なことだけは止める。
お金の話は一緒に考える。
それで十分です。
答えを与えるんじゃなく、
考える時間を与える。
それが、親が手を引くということだと思います。
結果だけが、すべてじゃない
実力がある子もいれば、そうじゃない子もいます。
親の期待に応えられない子供もいます。
でも、それは失敗じゃない。
結果を求めることは一つの考え方としてアリです。
ただ、それだけが人生ではありません。
スケートボードで学べるのは、勝ち負けだけじゃない。
続ける力、考える力、人と関わる力、自分で決める力。
それらは、結果が出なくても確実に残ります。
スケートボードは、子供を「うまくするため」だけの道具じゃなく、人生を「自分で選ぶ力」を育てるための最高の教材だと思っています。

