ショップはオリジナルを作れ。それしか生き残る道はない
あまり大きな声では言いたくないけど、今の状況を見ていると、正直これしか答えはないと思っている。
今の時代、ショップはオリジナルを作らなければ、生き残れないところまで来ている。
これはスケート業界だけの話ではなく、セレクトショップ全体、もっと言えば「リアル店舗」全体に起きている構造的な問題だと思う。
セレクトショップが減ってきている現実
セレクトという仕組みの限界
セレクトショップは、本来「選ぶこと」に価値があった。
オーナーや店長のセンス、思想、バックボーンが売り場に反映されていて、その人が選んだものを信頼して買う場所だった。
でも今のセレクトショップは、現実的にこうなっていると思う。
・1ブランドにつき売れそうな5型前後だけ仕入れる
・それを5〜10ブランド並べる
・結果、どの店も似たような売り場になる
そうなると、本当にそのブランドが好きなお客さんにとっては物足りない。
「欲しいアイテムが置いてない」ということが普通に起きる。
一方で、ブランドの公式サイトを見れば全商品が揃っている。
サイズもカラーも確実にある。
だったら、お客さんはどうするか。
・一度ショップを見る
・欲しい物がなかった
・家に帰ってオンラインで買う
この流れは、もう当たり前になっていると思う。
なぜショップに行く意味がなくなったのか
情報の価値が完全に変わった
昔は情報がショップにあった。
・新しいブランドの情報
・次に来る流行
・どんな人がやっているブランドなのか
それを店長やオーナーが教えてくれた。
だから「ショップに行く意味」があった。
でも今は、インターネットですべて分かる。
・発売日
・ストーリー
・海外の評価
・ライダーや着用写真
下手したら、若い子の方がショップの人より詳しい。
情報のスピードも正確さも、個人が圧倒的に強くなっている。
そうなると、
「欲しい物はネットで買える」
「わざわざ店に行く理由がない」
となるのは、かなり自然な流れだと思う。
スケートショップも同じ壁にぶつかっている
世界中で起きている共通の問題
この構造はスケート業界でもまったく同じで、しかも世界中で起きている。
今は、スケートショップとスケートブランドが、ビジネス的に競合してしまっている。
本来は支え合う関係なのに、構造的にそれが難しくなっている。
ショップ側の現実はこうだ。
・ブランド商品を仕入れても利益が出にくい
・売れなければ在庫リスクだけが残る
・家賃、人件費、光熱費は変わらずかかる
利益が出ないと、ショップは続けられない。
副業しながら続けられる人はまだいいけど、できない人もたくさんいる。
そうなると、店を閉めるしか選択肢がなくなる。
ブランド側も、かなり苦しい立場にいる
卸せないブランドは続けられない
俺たちはスケートブランドだから、本音を言えば全国のスケートショップに扱ってもらいたい。
ショップがあってこそ、カルチャーも広がるし、ブランドも育つ。
でもショップが苦しくなると、当然ブランドも卸せなくなる。
・ライダーに十分なお金が払えない
・ビデオ制作が難しくなる
・ツアーも回れなくなる
実際、今は世界中のスケートブランドがかなり厳しい状況に入っていると思う。
だから最近は、小さいブランドや仲間内でやっているブランドの方が元気だったりもする。
・お金よりも情熱で動いている
・規模が小さい分、身軽
・続ける理由が明確
俺たちも最初はそうだったし、その時間はすごく楽しかった。
それでも現実は変わっていく
大人になると背負うものが増える
ただ、年齢を重ねると状況は変わる。
・家庭ができる
・子どもが生まれる
・生活を守らなきゃいけなくなる
「好き」だけでは続けられなくなる瞬間が必ず来る。
だからこそ、若いうちから始めて、ブランドとして形にして、仲間とワイワイできる環境を作れるのは本当にいいことだと思う。
だからこそ「ショップはオリジナルを作れ」
ここに戻ってくる
今の時代、ショップが生き残るためには「その店にしかない理由」が必要になる。
それを一番シンプルに作れるのが、オリジナル商品だと思っている。
ブランド商品を仕入れると中間マージンが発生する。
簡単に言えば、利益は半分。
でもオリジナル商品なら、
・中間マージンがない
・利益率が高い
・その店でしか買えない
オリジナルTシャツ、オリジナルデッキ、オリジナルバッグ。
それがあることで、ショップに行く意味が生まれる。
オリジナル商品が生む「応援」という価値
ブランドを買うのと、店を応援するのは違う
ブランド商品を買うのは、ブランドを応援すること。
オリジナル商品を買うのは、その店、その人、その場所を応援すること。
ショップに行く理由は、もう「物」だけじゃない。
・近況を話す
・笑う
・一緒に滑る
・リアルな空気を感じる
AIにはできない、人と人のコミュニケーションがそこにある。
だからこそ、リアルな現場でやっているショップのオリジナル商品には価値がある。
オリジナルが増えると起きる現実的な変化
売り場と業界構造の変化
オリジナル商品が増えると、売り場は自然と変わる。
・自社商品が売れる
・利益率が良い
・ブランド商品のスペースは減る
これは悪いことじゃなく、自然な判断だと思う。
でも結果的に、大きなスケートカンパニーほど厳しくなる。
・関わる人が多い
・固定費が大きい
・簡単に方向転換できない
これからは、そういう時代に入っていくんだと思う。
それでもショップは、地域を守る存在であってほしい
地元にカルチャーを残すために
俺自身、茨城・土浦・つくばを拠点に、
スケートショップ、ギャラリー、スケートパークを併設したGrafferを作り、スクール業にも力を入れている。
ブランド側の気持ちも、ショップ側の気持ちも、両方分かるようになった。
だからこそ強く思う。
ショップがなくなったら、地域のルールも、スケーターも、カルチャーも育たない。
ショップはオリジナルを作って、長く続いてほしい。
スケートカルチャーを、地元に根付かせてほしい。
俺たちブランド側も、その現実と向き合いながら、どう共存していくかを考え続けなきゃいけない時代なんだと思っている。


